キャッシュの読み取りと更新
QueryClient を使うと、新しいリクエストなしですべての画面の表示を更新したり、サーバーでの変更後にデータを再取得したり、画面を開く前に取得したりできます。ウィジェット内では、context.queryClient がウィジェットの使うクライアントを返します。それ以外の場所では、設定したクライアントを使ってください。Fuery.client、または FueryProvider に渡したクライアントです。クエリが使うクライアントを参照してください。
キャッシュを読み書きする
Section titled “キャッシュを読み書きする”クライアントは、クエリキーごとに 1 つのキャッシュエントリ(CachedQuery)を保持します。キャッシュエントリは、そのキーのデータと状態です。データは、クエリの定義を使って読み書きします。
final client = Fuery.client;
client.getData(todosQuery); // the data, or nullclient.setData(todoQuery(1), todo);client.updateData(todosQuery, (todos) => [...?todos, todo]);client.getQueryState(['todos'])?.dataUpdatedAt; // the whole QueryStategetData、setData、updateDataは、キーとデータ型をクエリの定義から受け取ります。そのため、キャストは不要です。- そのキーを使うすべてのウィジェットが、新しいデータでリビルドします。
- キーにキャッシュエントリがない場合、
setDataはクエリのすべてのオプションを持つキャッシュエントリを作成します。そのため、Fuery はデータをpersistで保存し、再取得もできます。 updateDataの更新関数がnullを返すと、キャッシュは変わりません。
キーしかない場合は、getQueryData、setQueryData、updateQueryData を使い、client.getQueryData<List<Todo>>(['todos']) のようにデータ型を指定してください。setQueryData が作成したキャッシュエントリにはクエリ関数がありません。そのため、オブザーバーか client.query がそのキーのクエリを提供するまで、再取得はこのキャッシュエントリをスキップします。キーを別のデータ型として読み取ると、メソッドは StateError をスローします。
getQueryState は、データの最終更新時刻など、1 つのキーの QueryState を返します。フィールドの一覧は QueryState のフィールドにあります。
WebSocket の 1 フレームから書き込む場合など、多くのキーを一度に書き込むときは、書き込みを notifyManager.batch で囲んでください。こうすると、Fuery は最後の書き込みの後に 1 回だけウィジェットに通知します。
notifyManager.batch(() { for (final todo in frame.todos) { client.setQueryData(['todo', todo.id], todo); }});複数のクエリをまとめて更新する
Section titled “複数のクエリをまとめて更新する”updateQueriesData は、キーの配下にあるキャッシュエントリのうち、データが更新関数の型に一致するものをすべて更新します。たとえば、キャッシュされたすべての検索結果の中の投稿を更新できます。
client.updateQueriesData( queryKey: ['posts', 'search'], (List<Post> posts) => [ for (final post in posts) post.id == id ? post.copyWith(liked: true) : post, ],);- Fuery は、キーの配下にある別のデータ型のキャッシュエントリをスキップします。そのため、同じプレフィックスの配下にリストと詳細を置けます。
- Fuery は、データのないキャッシュエントリをスキップします。
nullを返すと、キャッシュエントリは変わりません。 - 更新関数のパラメーターには、
Iterable<Post>のようなスーパータイプではなく、キャッシュエントリのデータ型そのものを指定してください。型がないと、updateQueriesDataはArgumentErrorをスローします。 setDataと同じく、updatedAtは新しいデータを取得したとみなす時刻を設定します。
キャッシュの内容を列挙する
Section titled “キャッシュの内容を列挙する”getQueriesData は、queryKey、exact、predicate に一致するすべてのキャッシュエントリについて、キーとデータを返します。
for (final (key, todo) in client.getQueriesData<Todo>(queryKey: ['todo'])) { print('$key holds $todo');}Fuery はデータを渡された型にキャストします。そのため、一致するキャッシュエントリは、すべてその型のデータを持っている必要があります。['todo', 1] のような詳細のキーは、['todos'] のリストとは別のプレフィックスに置いてください。
そのほかの情報は、キャッシュから読み取ってください。client.queryCache と client.mutationCache には getAll、find、findAll があります。
final staleOnScreen = client.queryCache.findAll( const QueryFilters(type: QueryTypeFilter.active, stale: true),);final saving = client.mutationCache.findAll( const MutationFilters(status: MutationStatus.pending),);クエリキャッシュで一致するものは、キャッシュエントリ(CachedQuery)です。ミューテーションキャッシュで一致するものは、1 回の mutate 呼び出しの実行(CachedMutation)です。フィールドの一覧はキャッシュにあります。キャッシュは読み取り専用です。キャッシュを変更するときは、クライアントを使ってください。
サーバーでデータが変わったら、影響を受けるキャッシュエントリを古い(stale)状態にしてください。
client.invalidateQueries(queryKey: ['todos']); // ['todos'] and everything under itclient.invalidateQueries(queryKey: ['todos'], exact: true); // only ['todos']一致するキャッシュエントリのうち、使用中のものを Fuery はすぐに再取得します。使用中とは、マウントされたウィジェットなど、有効なオブザーバーがあることです。それ以外のキャッシュエントリは、次に使われたときに Fuery が再取得します。古い状態にするだけなら、refetchType: RefetchType.none を渡してください。
操作の対象にするクエリを選ぶ
Section titled “操作の対象にするクエリを選ぶ”invalidateQueries、refetchQueries、resetQueries、cancelQueries、removeQueries、isFetching は、同じフィルターでキャッシュエントリを選びます。フィルターは queryKey、exact、type、stale、predicate です。一致するクエリへの操作、クエリフィルター、再取得とキャンセルの引数を参照してください。
画面に表示中のものだけを更新する
Section titled “画面に表示中のものだけを更新する”client.invalidateQueries( queryKey: ['todos'], type: QueryTypeFilter.active,);type を指定しないと、Fuery は一致するすべてのキャッシュエントリを古い状態にし、使用中のものを再取得します。type: QueryTypeFilter.active を指定すると、使用中のキャッシュエントリだけを対象にします。それ以外のキャッシュエントリはデータを保持し、staleTime が過ぎるまで新鮮(fresh)なままです。
1 人のユーザーのキーを消去する
Section titled “1 人のユーザーのキーを消去する”プレフィックスだけでは足りない場合は、predicate がキー全体を読み取ります。
client.removeQueries( predicate: (query) => query.queryKey.contains(userId),);predicate はキャッシュエントリ(CachedQuery)を受け取ります。そのため、query.state や query.options も判定できます。たとえば、取得に失敗したすべてのキャッシュエントリを削除できます。
キャッシュを監視する
Section titled “キャッシュを監視する”client.watch は、クライアントから計算した任意の値を Stream に変換します。たとえば、取得中のクエリがある間、ローディングバーを表示できます。
client.watch((client) => client.isFetching() > 0); // any fetch runningclient.watch((client) => client.isMutating(mutationKey: ['todos']) > 0); // savingclient.watch((client) => client.getQueryData<List<Todo>>(['todos'])); // cached data- 各リスナーは、まず現在の値を受け取ります。その後、クエリキャッシュかミューテーションキャッシュが変わるたびに、新しい値を受け取ります。
- Fuery はセレクターと同じ方法で値を比較します。そのため、値が前と等しいときは何も流しません。
- 監視するだけでは何も取得しません。
ストリームは State のフィールドなどで 1 回だけ作成し、StreamBuilder で表示してください。
class LoadingBar extends StatefulWidget { const LoadingBar({super.key});
@override State<LoadingBar> createState() => _LoadingBarState();}
class _LoadingBarState extends State<LoadingBar> { late final fetching = context.queryClient.watch( (client) => client.isFetching() > 0, );
@override Widget build(BuildContext context) { return StreamBuilder( stream: fetching, builder: (context, snapshot) => snapshot.data == true ? const LinearProgressIndicator() : const SizedBox.shrink(), ); }}Bloc では、ほかのストリームと同じようにリッスンしてください。
ミューテーションが実行中かどうかを表示するのに、ウィジェットではストリームは不要です。MutationStateSelector で表示でき、HookWidget では useMutationState でも表示できます。
ウィジェットの外で取得する
Section titled “ウィジェットの外で取得する”client.query は、キャッシュされたデータが新鮮な間はそのデータを返し、そうでなければ取得します。ルートガード、起動時のコード、事前取得で使います。
final todos = await client.query(todosQuery); // fetch, or use fresh cacheclient.query(todosQuery).ignore(); // prefetch: ignore the result and errors- データは、クエリの
staleTimeの間は新鮮です。デフォルトのゼロのままだと、client.queryは毎回取得します。 - 取得が必要な呼び出しは、そのキーの取得がすでに実行中なら、新しく取得を始めずにその取得を待ちます。
- 取得が失敗すると、
client.queryはエラーをスローします。 - 再試行するのは、クエリ、
defaultOptions、またはそのキーに対するsetQueryDefaultsの呼び出しがretryを設定している場合だけです。
どれほど古くても、キャッシュされているデータを使うには、staleTime: staticStaleTime を設定してください。すると、client.query は何もキャッシュされていないときだけ取得します。
ウィジェットの外で無限クエリを取得する
Section titled “ウィジェットの外で無限クエリを取得する”client.infiniteQuery は、無限クエリに対して同じことをします。
InfiniteQuery<TodoPage, int> pagedTodosQuery() => InfiniteQuery( queryKey: ['todos', 'paged'], queryFn: (context) => api.getPage(context.pageParam), initialPageParam: 1, getNextPageParam: (data) => data.lastPage.hasMore ? data.lastPageParam + 1 : null, pages: 3, );
await client.infiniteQuery(pagedTodosQuery());pagesは、何もキャッシュされていないときに 1 回の取得で読み込むページ数を設定します。デフォルトは 1 ページで、maxPagesを超えることはありません。pagesは定義に属します。そのため、このクエリを表示するウィジェットも、最初に 3 ページを読み込みます。- ページがキャッシュされている場合、取得はキャッシュされたページを最初から
maxPagesまで読み込み直し、pagesを無視します。
ログアウト時にすべてを消去する
Section titled “ログアウト時にすべてを消去する”Future<void> logout() async { await api.logout(); Fuery.client.clear();}clear() は、すべてのキャッシュエントリとミューテーションのすべての実行を削除し、永続化されたデータもすべて削除します。クライアントは残り、setQueryDefaults と setMutationDefaults で登録したデフォルトもそのまま残ります。
実行中のミューテーションがどうなるかは、その段階によって異なります。
- すでにリクエストを送信しているミューテーションは、そのまま完了します。
- ネットワークやスコープ内の順番をまだ待っているミューテーションは、
CancelledErrorで失敗します。mutateAsyncはこのエラーをスローし、ミューテーションの状態もこのエラーを示します。Fuery はそのコールバックを 1 つも実行しません。MutationCacheConfigのコールバックと、mutate呼び出しのコールバックも実行しません。そのため、ロールバックが古いセッションのデータを書き戻すことはありません。
クエリを使う画面がなくなってから消去してください。clear() や removeQueries の実行時にまだ購読しているオブザーバーは、同じキーの新しいキャッシュエントリに移ります。このキャッシュエントリは、新しく作られたものと同じように読み込みます。そのため、まだ画面に表示されているリストは、ログアウトしたセッションですぐに再取得します。先にログイン画面に遷移し、手動で購読したオブザーバーの購読を解除してください。
サンプルアプリでは
Section titled “サンプルアプリでは”サンプルアプリは、フィードでポインターが投稿のカードにホバーしたときに、その投稿を事前取得します。また、ホームシェルでクライアントを監視し、アクティビティインジケーターを表示します。各画面で何を示しているかは、サンプルアプリの README にまとめています。